rosemary-mama’s blog

アラフィフ主婦の気ままな日常~わんこ・料理・旅行~

暑い夏に思い出したこと

暑い夏。

でも7月の激アツは越えた感じ。

8月より7月の方が暑く

夏本番だったような気がしている。

子供の頃に比べて

夏が前倒ししている気分。

 

生きているといろんな変化がある。

常識が覆ることもしばしばある。

わかめは食べても毛は生えないし。

お酢を飲んでも身体はやわらかくならない。

もうそんなの誰も言わないし信じてない。

 

スポ根魂はあっても水はこまめに飲むし。

年賀状は1枚でも多い方が良かったのに今は減らそうとしている。

 

子供のころには考えもしなかった

当たり前のことが変わってゆく。

でも、それは進化と思うと

今の方がいいんだろうなと思うし

知ることができてよかったと思う。

 

学生の時に驚いたことがある。

同じ部活の友人の父は毎朝泣くそうだ。

新聞の悲しい事件や事故の記事を読んで

心を痛めて泣くというのだ。

 

心底驚いた。

私は父の泣いているところを

見たことがなかったからだ。

それを毎日見ている子がいるなんて。

 

しかも新聞を読んで泣く。

なんて繊細で優しい心の持ち主なんだろう。

私は新聞やニュースを見て泣いたことがない。

たぶん一度も。

もちろん心がぎゅっとしたり

切なくなる事もある。

でも涙は流さない。

 

私はその頃、男の人はちょっとやそっとじゃ

泣かないと思っていたし

弱音をはいたりもしないと思っていた。

お酒もタバコも自由な時代で

お酒もタバコもしない男の人は

(今では喜ばしいことなのだが)

弱々しいな、なんて思っていた。

 

だから友人の父の話は衝撃的だった。

そして、だからこの子は素敵なんだ。

と思った。

 

友人は私にないものをたくさん持っていた。

女の子ぶらずサラサラな髪を短く切って

くったくのない笑顔とまっすぐな心。

いつも核心につくことを優しく言う。

大学に行ってから自転車で

日本一周に出発したといううわさを耳にして

嬉しくなった。

やっぱりね!

私が思いもつかないことやるよね!と。

 

そんな彼女に1度だけ褒められたことがある。

勝手に褒めてもらったと思っているんだけど。

 

◯◯ちゃんの唇、小さくて薄ピンクで桜貝みたい。

 

こんな詩人みたいな言葉で

褒めてもらったことは後にも先にもない。

男性にだってない。

でも、その子が言ったから

ウソとかお世辞でもない。

本当にふと、思ってくれたんだな。

と信じている。

 

友達の褒め言葉。何十年かぶりに思い出した。

小川洋子さんのおかげだ。

小川洋子さんのお祖父様がニュースをみて

涙を流すというエッセイを読んだ。

そして昔の友人を思い出した。

友人の父だけじゃないんだなと小さな発見。

 

あのころの10代の空気も少し甦った。

小川洋子さん、ありがとうございます。

 

#小川洋子

#エッセイ